【FGO】さよなら、世界【弾丸論破パロ】
まだ、ここには何もない。光も音もない。
私の姿も、私の声も、ない。
私が誰なのか、まだ誰も知らない。
私は誰?
誰が私?
自分にもよくわかっていない。
それでも私は、まだ誰のものでもないその手を伸ばす。
私という存在を掴むために。自分自身を掴むために──
光に包まれたかと思うと、ロッカーの中から何の変哲も無い普通のセーラー服を着たオレンジ髪の少女が現れる。
私はすぐにわかった。これが私だ、この少女こそが私なのだ。
私の名前は、藤丸立香。
今、私はようやく私を認識した。
……初めまして、私。
この狂った物語の主人公さん。
目が醒めると、知らない学校に閉じ込められていた。
同じ境遇の彼・藤丸くんとともに脱走しようと試みるが、巨大なロボットに追いかけられてしまう。
逃げた先には、高校生と思われる人たちが集まっていた。
「超高校級の後輩、マシュ・キリエライトです」
「「可愛い……」」
「二人とも同じ名前で、同じ服なのね。双子?」
「いや、双子ではないよ? ……多分」
そんな和気藹々とした時間も束の間。
終わりは突然告げられる。
「コロシアイをしなさい。それもとびっきり美しいコロシアイをね」
猶予は三日間。それまでにコロシアイが起きなければ皆殺し。
「さぁ、楽しいゲームの始まりよ」
信頼、信用と嘘が渦巻くコロシアイゲームの幕が今上がる。
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